本イベントはスマートフォンアプリLINEのグループチャット内にて、指示に従って参加者各々が写真を投稿するイベントになります。「右を撮ってください」「下を撮ってください」「壁を撮ってください」といった参加者各々がいる場所での簡単な撮影指示が不定期に投稿されますので写真のみをご投稿ください。開催時間中は、どこで何をしていても大丈夫です。写真が撮れない状況では、スルーしても時間を空けて応答しても構いません。

7月21日(日)
10:00-23:00(オンライン|13:00-17:30は在廊)
前田春日美によるプレゼンテーション
重力下での「(右)の写真」

昨年2023年7月8日(土)にGeneral Museum|Site「場所の発掘_Some Practices」にて「(右)の写真」という企画をした。
この企画はスマートフォンアプリのLINEのグループチャットを使用した企画で、10:00〜23:00という1日を通したもので参加者はチャット内で不定期に投稿される「右を撮ってください」「下を撮ってください」「壁を撮ってください」といった指示に従い写真のみを投稿する。企画に参加している最中はどの場所で何をしていても良いので、それぞれが投稿する写真から参加者のいる場所だったり写真を撮る際の仕草だったりを写真に写されている情報のみで共有していくことで、個人の視点からの空間や時間がどのように身体性をもって立ち上がっていくのかを参加者全員で眺めているような企画だったと思う。

企画終了後に参加者の一人から「何を表現したかったんですか?」と聞かれたが、結果として何かを表現することよりも何かが起こっている状態に立ち会いたかったのかもしれない。例えば、「下を撮って」と言われた時にスマホを構えた真下の地面を撮るのか、その時に靴まで映すのか、どこか高い場所に立って下を撮るのか、曖昧な指示の中で何を基準に人は動くのだろう。

話は少しそれるが、広い建物を歩いたり眺めたりするのが好きだ。右を向いても上を向いても壁がちゃんとあって基準ができる。壁の角やカーブも手前と奥と名前をつけることができ、自分が立っている位置と距離が確認できることと空間と自分のスケールの違いを感じ取れることに言いようもない安心感を覚える。

改めて「(右)の写真」という企画は、会場が縦スクロールによって移動を余儀なくされるスマホの画面内ということもあり、平面について考える機会だったのかもしれない。だけどここは《重力下での》。重力下という言葉の下でこの企画を改めて行ってみたい。前回とは違い、会場の開場時間に限定されるが主催者である私の身体を「(それは)重力下での」の会場であるWHAT MUSEUM展示室2F奥に置いてみようと思う。そうすることで、この目の前に広がる平面的な世界に重さを与えることは可能なのか確かめてみたい。

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目で触ること手で見ること